おやすみの神様が俺のまぶたを下に引っ張り始めたとき、火はまだ消えない

いや〜、近所で火事っすよ〜！！！
近所っつーか、駐車場をはさんで隣、
マンションから100メートル足らずの場所、
とある自動車工場から出火したっぽい。

さかのぼること午前2時すぎ、
外の方からやたらサイレンの音が聞こえる。
別にこれくらいの事、イナカの寝屋川とはいえ日常茶飯事であり、
たいしてビビることでもなかった。

「すぐそこで燃えてたりして」
ジョークを交えつつカーテンを開けた。

・・・・・。

・・・・・・おい

・・・えっ！？ちょいちょいちょい待ちやがれ！

空赤っ！！！

くそ燃えてるやんけー！！！

あわててベランダに飛び出す俺と相方。
かなりデカく広い面積で燃えていて、
真っ黒い煙の中にホタルみたいな火の粉がふわりふわり・・・

すげーよ、こんな近くで火事見たの初めてちゃうかな！？
テンションもあがりにあがった俺たちは相方のデジカメでビデオ撮影をすることに・・・

あがりつめたテンション、
そしてマンション前から工場までの道路上のリアルすぎる映像と音声も手伝い、
動画を撮っているにもかかわらず、
ボケ放題のツッコミ放題。

相方が自分の顔を写し、レンズを工場の炎の方に向けた瞬間。
でっかい精がランプの中から出てくるかのように、
あまりにもデカすぎる火柱が爆発した。
別に爆風が来たわけでもない。
あたりが明るくはなったものの、光が強すぎるわけでもない。
ただ、その瞬間俺は暮れつつある秋の夜中にうっとうしいまでの温もりを感じた。
あつっ！！！
いわゆる赤外線というヤツやろうか・・・

すげー瞬間をビデオに撮ってしまった。
午前3時過ぎ、
あれほど激しかった炎もほとんど消え、
煙のみが向こうのホテルをかき消すくらいにけぶっていた。

いやー連休の最後に楽しいモン見せてもらったわー
などと言いつつ部屋に戻り、テレビをつける。


午前4時過ぎ、
テレビの中でチョコを食っている人がいて、
急にチョコが食いたくなってきたので、
相方と家の向かいのコンビニへ・・・

チョコを買い部屋に戻ろうとする。
あれ、まだギャラリーこんなにもいてんで。

この際やしもうちょい近くから見てみるか・・・
そう思いマンションの影になっている現場をのぞく。

ありゃ？
なんであっちのマンションの壁はあんなに赤いの？

うおっ！！
こんどは違うとこが燃えてるやんけ！！

急いで部屋に戻る。
さっき炎の出ていた場所に隣接しているもう一つの工場から今度は炎が出ている。
しかもまたデカイ。

風向きが微妙に変わり、
窓を完全に閉め切っていても部屋の中まで煙たくなる。
火事怖ぇ〜〜〜〜〜〜・・・
ベランダのすぐ目の前まで火の粉が飛んでくる。

結局完全に火を消し終えたのは外が明るくなってからやった。


午前9時、
学校へ行くため、交通規制がかかり、一般車両が立ち入り禁止の道路を通る。
うわ〜・・・
屋根全部落ちてるやん・・・
つーか工場の隣にある民家まる焼けやん。
くせー・・・焦げくせー・・・
水びだし・・・
いろんなとこに灰やすすが積もってる。
火事怖ぇぇ！


夜になれば交通規制も解除となり、
数人の警察が現場検証をしているのみ、
わりとあっさり静まっている。

グダグダやったスタジオ練習もどーでもいいくらいどーでもよかった。
これから寒くなって、火を使うことも増えてくるとは思うが、
くれぐれも気をつけねば・・・